自然分娩(普通分娩)を希望していても、いろいろとトラブルは起きるもので、
帝王切開にならざるを得ない時があります
母体と赤ちゃんの命を考えると、帝王切開がいいという場合も多くあるようです。
近年は、帝王切開をする妊婦さんがけっこう多いのも実情です
妊婦さんの20%程度は、手術をしているともいわれています
昔よりも技術があがり、無事に出産する率もほんとうに高くなっています
帝王切開をするとき
「血栓症」という血液が固まる病気があります
手術後は、血液が固まりやすくなっており、よくいわれるエコノミークラス症候群のような感じとなります。
そうなると、足のほうで血が固まったもの(血栓)が、手術後、体を動かせるようになり、血流が流れていくと、肺などに血栓が行き、詰まってしまうことがあります。
そのため、手術前に、弾性タイツ(ソックス)やフットポンプなどで、対策をしておきます
予定帝王切開をするケースとは
前置胎盤
子宮口をふさぐような位置に胎盤ができてしまうと、経膣分娩はできません
万が一、胎盤がはがれた個所が止血できていなければ、大量出血となる場合があります。その時に備えて、帝王切開の前に、輸血用に自分の血を採血しておく場合があるようです
児頭骨盤不均衡
胎児の頭の大きさとママの骨盤のサイズが合わないときに行われます
赤ちゃんが骨盤を通りぬけるのは難しいと判断されることがあります
子宮筋腫
子宮筋腫の位置や大きさによっては、経膣分娩も可能です
子宮口に近いところにある場合は、赤ちゃんが出てくるのを妨げる場合もあるので、帝王切開となることがあるようです
帝王切開にあんれば、同時に、子宮筋腫を取る手術をする場合もあります
多胎
経膣分娩も可能な場合もあるようですが、
早産だったり児頭回旋がうまくいかず赤ちゃん同士がじゃまをし合ってしまうなど、
帝王切開になるケースが多いようです
さかご
さかごの場合は、帝王切開になることが多いです。
おしりから出てくる場合は、経膣分娩でも可能なケースがあるようです
そのほかにも、赤ちゃんが大きすぎたり、発育が悪かったり、
ママが子宮の手術をしていたり、感染症があったり、もともと持病があるなどで、
経膣分娩ができないこともあります
ママが痛みに弱いなどで、どうしても帝王切開を希望する時も、病院によっては帝王切開が可能なところもあるようです
緊急帝王切開となるケース
経膣分娩をしている最中に、トラブルが生じて、緊急帝王切開となる場合もあります
胎児ジストレス
心拍数が弱くなっているときがあります。通常は、陣痛時は心拍数は弱くなりますが、陣痛がおさまると心拍数は元に戻ります。酸素も十分に行きわたりますが、
赤ちゃんが疲れてくるなどで、心拍数がずっと弱いままだと、酸素も届かず、危険となります
また、心拍数がとても多い時も危険です
児頭回旋異常
胎児は、骨盤の形に合わせて、頭がい骨を小さくし、向きを変えながら出ようとします
うまく、頭の回旋ができないと、時間がかかり赤ちゃんが疲れてしまいます。
常位胎盤早期はく離
胎盤が先にはがれてしまうと、赤ちゃんに酸素がいかなくなります
同時に、ママも大出血をするので危険な状態になります
さい帯脱出
あかちゃんより先にへその緒が外にでてしまうと、産道と赤ちゃんの体や頭でへその緒が圧迫されて、酸素が赤ちゃんにいかなくなります
逆子で経膣分娩をおこなったときに起こることが多いようです
そのほかにも、
子宮破裂や、微弱陣痛でお産がすすまない、陣痛促進剤が効かなかったり、
吸引分娩や鉗子分娩ができる位置まで赤ちゃんが下りてきていなかったりと多くのケースがあります
2人目以降は?
1人目を帝王切開で出産した後、2人目はどうなるのでしょうか
1人目の帝王切開後の回復状況にもよるようです。また、2人目の妊娠経過をみて、経膣分娩が可能なこともありますが、
基本的に、帝王切開をした後は、また、帝王切開になることが多いようですね
1年は、出産期間を開けたほうがいいようです
帝王切開後は
手術後痛みがつらいという場合があります。それは、傷の痛みに加えて、経膣分娩をしてもある、後陣痛の痛みが加わるためです。
麻酔で腸が動きにくいので、点滴で栄養などを取ります
トイレもカテーテルで導尿となります。これをいれる時や抜くときの痛みも気になりますが、少しの痛みぐらいで大丈夫なようですね